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2011/10/25
蓮根
もう少しで「お酉様」の声を聞きますのに、今年は未だ気温が夏日を越す日もあり、何となく落ち着かない季節のままです。
ですがやはり、根菜類は丸々とし、味も旨味が凝縮してきました。
その中でも『蓮根』は誰にでも好まれる一つではないでしょうか。
蓮根を輪切りにしますと穴が開いており、先が見通せるとの意味合から縁起物としてお正月のお節料理などにも使われますね。
この穴ですが、通常は8つです。
またまた末広がりの数です。
●蓮根のはさみ揚げ
鶏肉に葱やら椎茸やら刻んで混ぜこみます。
ご家庭などでも気軽にする料理方法かと思います。
作業の丁寧さ、混ぜる調味料などで各々の味が決まってくる不思議さがあります。
写真の蓮根は、仕込み途中、粉を叩かれ一列に整列させられています。
蓮根にいじらしさがある様に思えます。
2011/09/14
新烏賊
今年の十五夜は、まんまる月で大層綺麗でした。
満月の十五夜は6年ぶりだそうです。
絵に書いたようなお月様を見上げられて幸せでした。
さて、年間を通して順繰りに烏賊達も旬があります。
少し前の『走り』の時は型が余りにも小さく希少ではあるのですが、お造りにはほんの少しだけ待ってから旨味が上がったお品でお出しします。
●新烏賊
墨イカの子供の時です。
八寸の長皿に乗せて見ました。
こんなに小さいのです。
隣に添えてある白いサーフボードの様な物は骨です。
スルメ烏賊などとは違う形状なんです。
透明な甘さと柔らかさでまさしく『新』です。
お造りにてお出しします。
「可愛い、そして可哀相なくらい!」とか言いながら、しっかり噛み締めてしまう美味しさです。
2011/08/09
2011/07/10
加賀太胡瓜
お暑うございます。
東京も梅雨明けしたとの事。
節電がこの夏のテーマの様ですが、厳しい暑さになりそうな模様です。
お客様によっては、勤務時間がサマータイムへ、またあるお客様は、夏休みが長期間になったとか、皆様大層な我慢と努力を実施中です。
誰もが節電が使命となってしまった夏ですが、きっとやり遂げられると信じています。
●加賀太胡瓜
(かがふときゅうり)
石川県の伝統野菜です。
大きなお品は1�近い物もあります。火を通して頂くお野菜です。
出汁などたっぷり含ませますと、喉にグゥーっと染みわたる胡瓜の清涼感たっぷりの夏のお味です。
瓜類は身体の熱をとってくれる有能野菜です。
炊き合わせなどで召し上がって頂きます。
2011/06/09
新生姜
六月に入り私どもも衣更えをいたしました。
入り口の暖簾も染めものから、さっぱりとした麻に変わりました。
板場におります亭主は白衣が半袖に、お運びの者はお着物が単衣物などに変わりました。
心持ち、夏に向かって爽やかな気分になります。
お品も青い葉もの、香りの良い香味ものなど梅雨の中程ではありますが清々しいお品が揃い始めました。
●新生姜
一尺の皿の上に置いてみました。
柔らかい肌色で、先は綺麗な赤系に染まっています。
古根にはない若々しい香りで、えぐ味もありません。
揚げ物で召し上がって頂きます。
パクパクと口に頬張りたくなる美味しさです。
2011/05/01
竹の子
この様なお品を誰が初めて口にしたのだろうか?と不思議に思う事があるかと思います。
人それぞれに多々あるでしょうが、その一つが『竹の子』でしょう。
見た目も手触りも固くて、どうにも美味しそうに見えません。
その上、食べるまでは手間がかかるのです。
土からほんの少し顔を出し始めたところで掘り起こし、先を切り落とし、糠で煮、そのまま冷ます。
そして水に晒し、皮を剥く。
また下茹でする。
こんな具合です。
でも、茹で上がりのまだ皮のついたままの『竹の子』の香りは、もう少し先の季節の『とうもろこし』にもよく似て、季節が変わって行く事に何だか心がはずみます。
●竹の子
九州の福岡県合間(おうま)の品です。
高級品となる一代産地です。
焼竹の子、若竹煮など「あー幸せだなぁ」と思うお味です。
2011/04/07
桜えび
『春』と言う言葉はとても心地好い響きがあるように思います。
言葉の意味合いで、「苦難を乗り越えて新しい明るい時を迎えられる」との際に用いられる『春』をこれほど望んだ時はなかったように思います。
このような時でも、いろいろなお品が桜色に染まる頃となりました。
●桜えび
駿河湾にて早朝漁が行われ、そのまま築地に運ばれてきます。
ちなみに、漁が行われる際の条件は、「駿河が晴天である」と言う事だそうです。
一面に桜えびを広げ、いちどきに乾燥させる為にお日様が必要だからです。
お店では、生の桜えびを大根おろしなどで召し上がって頂きます。
甘くて、ニコッと微笑みたくなるお味です。